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「流通系」の看板下ろしたポケットカード

05年に旧マイカルとの業務提携を解消したポケットカードは、「流通系」の看板を下ろし、今後は伊藤忠グループとの関係を深めながら、経常利益100億円を目指しています。

ポケットカードの前身は、82年に関西系のスーパー大手ニチイが設立した「ニチイクレジットサービス」です。90年にニチイは店舗形態を二つに分けました。30歳代をメインターゲットにした「サティ」と、20歳代の利用者を当て込んだ「ビブレ」へと転換し、94年にカード会社はマイカルカードに社名変更しました。96年には、親会社が社名をマイカルに変更しました。しかし01年9月、メインバンクの第一勧業銀行(現みずほ銀行)が金融支援を打ち切り破たんしました。マイカルは会社更生法を申請し、同業のイオンが再建に乗り出し、マイカルはイオンの子会社になりました。

マイカルカードは、消費者金融大手の三洋信販が買収し、社名も三洋信販が愛称として使っていた「ポケットバンク」にちなんでポケットカードと改められました。ポケットカードは当初の数年間、三洋信販のオーナー・椎木正和会長が一時社長を兼務したり、外部から招聘した社長が短期間で辞任したりするなど、経営陣が不安定でした。

また、複雑なことに、破たんしたマイカルがイオンの支援を受けたことから、イオングループのクレジットカード会社であるイオンクレジットサービスが「サティ」「ビブレ」のカード発行を開始。一方で三洋信販が買収の際、マイカル店舗での営業展開を取得条件としたため、旧マイカルの店舗では両社が並存してカード会員の勧誘をする現象が起きました。しかし、ポケットカードは05年12月にマイカルとの業務提携を解消しました。それに先立ち、ポケットカードは05年10月からカードの名称を「P‐ONEカード」に変更しました。

ただ、同社のカード特典として、ワーナー・マイカル社が運営するシネマコンプレックス「ワーナー・マイカル・シネマズ」では300円の割引優待が付与されるように、旧マイカルとの縁がまったく切れたわけではありません。しかし、05年に旧マイカルが更生終了したため、同社との基本契約も終了した結果、これからは流通系クレジットカードとして生き残るのは困難です。

そこで新たなパートナーとなるのが、03年に資本・業務提携した伊藤忠商事グループです。伊藤忠商事の傘下であるコンビニ大手ファミリーマートのクレジットカード子会社「ファミマクレジット」の消費者ローンの保証業務提携など、両者の関係は深まっています。また、親会社の三洋信販が持つ消費者金融ノウハウを活用したクレジットカードの利用率向上などに力を注いでいく意向で、経常利益100億円の早期達成を目指しています。