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力をつけてきた第3勢力~交通系、メーカー系、百貨店系

銀行系、流通系に加えて、近年業績を伸ばしているのが、交通系やメーカー系のクレジットカードです。集客力の高い親会社のもとで、売り上げを伸ばしています。

交通系やメーカー系のクレジットカードの設立時期を見ると、流通系クレジットカードが次々に設立した80年代前半以降に集中しているのがわかります。このことは、小売業が親会社の店舗に集まる利用者を対象にクレジットカード業へ進出したように、彼らも多数の顧客を保有しているので、新規参入すれば必ず収益が見込めるとの判断が働いたからです。ときはまさにバブル経済に突入する時期であり、国民の消費意欲が旺盛な時代でした。

カード業界に詳しい、ある関係者はこういいます。「消費者の心理というのは不思議なもので、資金に余裕があれば取り崩したくないからカード決済する。金がない場合は、必然的に後払いのカードを使う。どんな経済的な状況でも、クレジットカード業というのははやりすたれのブレが少ない」

ここ数年続く長期不況において、こうした見方はやや否定的にならざるを得ませんが、それでも不良債権を抱えた企業を除いたクレジットカード会社は、おおむね堅調な業績を維持しています。

JALカードは、搭乗距離に応じてポイントが貯まる「マイレージ」が売り物です。キャッシングはできませんが、ショッピンク利用額がマイル換算されるので、海外旅行を好む人には人気が高いカードです。旅行傷害保険付きなのも魅力です。

トヨタファイナンスは88年、トヨタ自動車の財務部が分離独立して発足したもので、豊富な資金力を背景に急成長、クレジットカード業界では脅威の存在になっています。

高島屋クレジットは、高島屋でのカードショッピングでは8%と高いポンド還元率を提供しています。伊勢丹カードは、系列店のみで使えるハウスカードです。出光クレジットは石油元売り大手の出光興産と流通系クレジットカードの雄・クレディセゾンが50%ずつ出資しており、カード業務はセブンに委託しています。JR東日本カードはビューカード、ビュー・スイカカード、ルミネカードなど複数発行しており、特にプリペイドカードでもある「スイカ(Suica)」は、家電量販店をはじめ各所で使用範囲が拡大しています。

こうした「第3勢力」が台頭してきた背景には、銀行系、流通系クレジットカード各社がカード業務全般を請け負う受託業務を始めたことが大きな要因のひとつになっています。両社が業務処理で結びつくと、その次にはカード提携にまで発展し、お互いにメリッ卜のある関係が構築できるからです。反面、自社カード発行にこだわれば、システム投資や加盟店獲得などで負担が生じ、それを補うだけの収益性が求められます。