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ソフトバンクグループ・ヤフーの金融戦略

インターネット企業の中では並ぶ者のいないビッグプレーヤー、ソフトバンクグループ。特にヤフーの銀行参入は、クレジットカード業界でも大きな脅威になるでしょう。

パソコンソフトの流通卸業からスタートしたソフトバンク(SB)ですが、同社は純粋持株会社となり、その傘下に事業分野ごとの中間持株会社があり、さらにその傘下に事業会社を配置する三層の組織構造を形成して複雑な企業グループとなっています。SBグループの金融部門は、SBインベストメントを中核会社にしているSBIグループですが、ノンバンクとしてはここに消費者金融「イコールクレジット」、ヤフージャパンに「ヤフージャパンカード」があります。

SBグループの中で最も身近な存在は、インターネットポータルサイト最大手の「ヤフー」でしょう。延べ人数にして、毎日1億人以上がアクセスするこの巨大サイトは、インターネットショッピンクの草分けでもあります。また、ヤフーはSBグループの売り上げにも大きく貢献しています。05年3月期の売上高を見ると、グループの売上高8370億円に対して、ヤフーは1177億円と14%のシェアを占めています。単なる売り上げだけでなく、グループがいま最も力を入れるブロードバンド事業に不可欠な企業であることを考えると、その貢献度は計り知れないものがあります。ヤフーの売り上げ構成のうち、オークション事業が273億円、ショッピンク事業が105億円で、合計378億円です。利益の32%が決済ビジネスから生まれています。

これだけの集客力を誇るヤフーですから、クレジットカードはVISA、マスター、JCBのほか、信販各社ともカード提携を結んでいます。ヤフーオークションでは、自宅や会社にいながらオークション落札代金の支払い・受け取りが簡単に行える便利なサービス「ヤフー かんたん決済」という独特の決済方法を持っています。落札してもお互いが口座情報を教える必要のないセキュリティを考えたもので、ネットバンキング決済ならば手数料は198円で、取り扱い金融機関も増加しています。

05年1月、ヤフーはあおぞら銀行とインターネットバンキングで業務提携を結びました。その内容は、あおぞら銀行の子会社であるあおぞら信託銀行とヤフーが共同で設立するネット専業銀行です。「ネット専業銀行としてトップを目指す」とヤフー・井上雅博社長は語っていますが、設立は06年になりそうです。あおぞら銀行は、ソフトバンクがオリックス、東京海上とともに一時筆頭株主として経営に参画し、その後SBが保有株を米投資ファンド・サーペラスに売却した経緯があります。

インターネットポータル最大手のヤフーがネッ卜銀行を保有すれば、決済機能は厚みを増します。楽天など他のライバルに少なからぬ影響を与えそうです。