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クレジットカードは「使ってもらってナンボ」の世界

このカード利用の頻度を測る数字が「稼働率」と呼ばれるもので、年1回使われるカードが全発行枚数のうちどれくらいあるかで判定します。銀行系カードは稼働率が低く、20~30%くらいといわれます。それに対して流通系力ードは50~60%はあります。流通系カードは、グループ傘下のスーパーで日常的に使われる傾向が強く、稼働率もアップするのです。

イオンカードなどは稼働率が60%を超えています。つまり、発行するカードのうち、60%のカードが年1回以上使われているわけで、発行したカードがムダになっていないことを証明しています。稼働率が高ければ、それだけカード会社の収入も安定します。ですから、カード会社は毎日使われるメインカードにしてもらおうと、系列を越えたネットワークやさまざまなサービスを考案し、プロモーションを行います。メインカードの地位を獲得して高い稼働率を得ることができれば、カード会社ほど「黙っていて儲かるビジネスはない」といえるでしょう。

以上、カード一枚のコストについて述べてきましたが、このほかにもカード事業を展開するには、じつにさまざまな経費がかかります。新規入会者にカードを送る以外にも、定期的に利用明細書を発送するには、必ず郵送費がかかりますし、入金の督促や在籍確認には電信費がかかります。テレビや新聞の広告や会員誌発行にかかる宣伝広告費、さらには提携先銀行でのATM利用にかかる手数料など、数え上げたらきりがありません。そのなかでも大きな割合を占めるのが人件費と支払金利です。銀行に準ずる給与体系を持つカード会社も多く、どの会社も毎月の人件費はかなりの負担になっています。

そのため、極力、正社員の数を減らし、コールセンターや会員募集業務など、現場のラインでは派遣社員やパートに置き換えています。さらに、ローンやキャッシングの原資になる資金を金融機関から調達するのですが、その支払金利も支出項目のなかでは大きな比率を占めています。借入金利も次第に上昇傾向にありますから、今後、経営圧迫の要因になってくるでしょう。カード会社はスワップをかけたり、貸付金の証券化、ワラント債などでリスク低減に努力していますが、どこまで防衛できるか、不安な要素も抱えています。