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脅威となりつつある異業種参入組

最近は、年会費無料カードを発行するライバルがたくさん出てきたため、その面での優位性は薄れつつあります。このところ頭角を現しつつあるのが、ソニーファイナンスインターナショナルや武富士などの異業種参入組です。こちらは豊富な資金力をバックに、年会費無料のスキームで攻めてきています。とくに武富士などは、最初からクレジットカード事業での収益などそれほどあてにしていませんから、もちろん年会費無料で攻め立てています(しかも加盟店手数料は1%という破格の利率)。これらの新規参入組は、既存のカード会社などだけでなく、いまや勝ち組のクレディセゾンなどにとっても脅威になっているのが実情です。オリエントコーポレーションがショッピングモールや居酒屋と組んで発行するイクスピアリカード、モンテローザカードなどは、最高2000万円までの海外旅行傷害保険が自動付帯になり、このカードに加入しておけば、わざわざ空港で傷害保険をかけることなく、自動的に旅行傷害保険が付いてくるというお得なカードです。

無料で保険に加入できるのですから得するカードといえますが、その保険料はカード会社か提携先の店が負担しなければなりません。年会費分は提携先が負担するケースが多いようです。保険料はどちらが負担するにしろ、カードの発行枚数が多くなければ元は取れません。一方、銀行系カード会社が手がけているのが、Arubara(JCB)のタイプです。これは月に5000円+利息さえ払っておけば、返済がクリアされるというリボルビング専用カード(リボガート)で、「いつでも」「どこでも」「いくらでも」返済できる便利なカードです。基本はミニマムペイメント方式の米国のカードなのですが、特典はどんな買い物でも2倍のポイントが付き、年会費は無料となっています。

2001年夏にArubaraが登場すると、それ以降、フリーボ(UC)、マイペイす(三井住友)、ジザイル(DC)、ポケット・ワン(UFJ)と似たしくみのカードが銀行系カード会社から続々発行されました。最近は信販系、流通系も競って発行しています(じつは、ポケット・ワンはArubaraより早く発表されましたが、話題づくりでJCBのほうがうまかったので、支払自由型=Arubaraとなったという裏話もあります)。銀行系カード各社が熱心なのは、このカードならリボの金利収入(13%以上)が入るので、年会費無料にしてもやっていけると判断しているからです。このスキームを使うことで、銀行系もやっと年会費無料カードをおおっぴらに発行できるようになったというわけで、その意味でも画期的なカードです。しかし、すでに2年以上たちましたが、実際の利用は少ないようです。PRに力を入れているArubaraでさえまだ40万枚が発行されているにすぎません。

しかもその使い方は、引落日までに利用金額を振り込む一括払いが多く、2倍のポイントだけを狙っているというのが実情のようです。カード会社としたらたまったものではありません。このほかにも、年会費無料カードはさまざまなバージョンが登場しています。初年度無料というスキームも流行しています。最近は特定の場所で1回だけ使えば、また翌年も無料にするという、ほとんど無料に近い初年度無料カードも数多く出てきました。阪神エメラルドJCBカードなどがそうですが、こうしたカードもカード会社は年会費獲得は実質諦めているわけで、あまり嬉しくないカードといえるでしょう。その一方で、年会費無料が重荷になってサービスを中止するカード会社も登場し始めました。アコムがその1つです。同社は、2003年12月に女性専用の「アコムカプリッチョゴールドカード」の新規募集を終了したと発表しました。同カードは、年会費無料カードの女王様のようなカードでしたから、とても残念です。あまりに豪華な特典を付けすぎたせいで、撤退に追い込まれたのでしょう。